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働くための約束。雇用契約(こようけいやく)について③ 「会社をやめるとき編」


得られる情報/会社をやめるときのルールや在留資格について 

会社をやめる


会社をやめるときにもルールがあります。会社から暴力やいじめを受けているとき、そのようなときは、すぐにやめた方がいいでしょう。しかし、正しいルールで働かせてくれた会社には迷惑をかけないようにしましょう。


また、会社はかんたんに労働者をやめさせることはできません。


もしも、会社から暴力やいじめを受けているときは、すぐに労働基準監督署や社会保険労務士、弁護士に相談しましょう。

 

・自分でやめる。退職(たいしょく)

自分でやめる退職を自主退職(じしゅたいしょく)や自己都合(じこつごう)による退職といいます。自分がやめたいから、やめる、ということです。会社はむりやり退職を止めることはできません。


会社をやめたいときは、そのことを正式に会社に伝えなければいけません。


会社をやめたいとき、会社もOKであれば特に問題はありません。では、会社から「やめないでほしい」と言われている場合、どうなるでしょうか。


もしも雇用契約で「いつからいつまで」と期間が決まっている場合、その期間が1年までであれば、労働者は基本的に「いつからいつまで」の期間を守らなければいけません。それでもやめるには、明確な理由が必要です。しかし「いつからいつまで」の期間が1年より長い場合、働いてから1年を過ぎれば、自由にやめることができます。


もしも雇用契約に「いつからいつまで」と、働く期間が決まっていない場合、会社にやめることを伝えてから2週間後にやめることができます。会社の雇用契約書や就業規則に「やめるときは30日前に言ってください」「60日前に言ってください」と書いてあっても、2週間あればやめることができると考えられます。しかし、仕事の引継ぎは大切ですから、正しいルールで働かせてくれた会社であれば、会社と相談して、会社と働く自分のお互いがOKと、きもちよく言えるようにやめるときを考えた方がよいでしょう。

 

・退職と在留資格

仕事のための在留資格を持っている方は、退職してしまった場合、その在留資格を持っている理由がなくなります。退職しても在留資格はなくならず、持っている在留資格の在留期限まで日本にいることができます。しかし、法律では仕事のための在留資格を持っている人が、その在留資格で働くことができる仕事を3カ月やっていない場合、入管はその在留資格をとり消すことができます。なお、入管は在留資格を本人に教えないで、とり消すことはできません。入管は必ずインタビューをしてから、とり消すかどうか決めます。

在留資格を持っている理由がなくなりますから、持っている在留資格で働くことができる新しい会社に就職(しゅうしょく)するか、別の在留資格にはやく変更するようにしましょう。


なお、「特定技能」や「高度専門職」、「特定活動46号」の在留資格を持つ人は、新しい会社で行う仕事の内容がやめた会社の仕事の内容と同じでも、必ず在留資格を変更する手続きが必要になりますので注意してください。

 

このことは、会社をやめたときに必要な届出といっしょに「忘れないように!日本にいる間に必要な届出を覚えよう② 『悩み別編でも説明しています。

 

・退職金(たいしょくきん)について

退職金は会社をやめたときにもらえるお金です。退職金がもらえる会社ともらえない会社は会社ごとのルールによって決まっています。日本の法律で退職金がもらえるように決まっているものではありません。

 

・会社にやめさせられる。解雇(かいこ)

自分でやめる退職と違い、解雇は、労働者は会社をやめるのが嫌だけど、会社にやめさせられることをいいます。労働者がかんたんに会社からやめさせられると、未来のことが不安になります。だから、日本では会社が労働者をやめさせる場合、厳しい条件が求められています。


雇用契約に「いつからいつまで」と期間が決められている場合、基本的に、会社側も労働者の働いてもらう期間を守らなければいけません。労働者がやめたいときも同じでしたね。しかし、労働者は働く期間を「もっとのばしたい」「もっと働きたい」と思っているかもしれません。もしも、自分と同じ契約内容で働く仕事の仲間が、当たり前のように働く期間をのばしてもらっている場合や、会社から「長い間、仕事をがんばってね」と言われていたり、「この会社では長く働ける」と、社内で知られている場合は、「いつからいつまで」と期間が決まっている雇用契約でも、会社は働く期間を「のばさない」でいることは難しいです。いつも通り、労働者の働く期間をのばしてあげなければならないことが多いでしょう。また、これまで何回も働く期間をのばしてもらっていた場合、労働者は「これからもずっと働ける」と考えています。そのような場合も、会社は働く期間をのばしてあげなければならないことが多いでしょう。そうでないと、労働者は毎日の生活が不安で、子どもを育てたり、自分の家族を作ることもできなくなります。

 

それでは、雇用契約に「いつからいつまで」働くと期間が決まっていない場合はどうなるでしょうか。


まず、解雇される場合、どうして解雇されるのか、労働者は知りたいと思います。だから、会社は解雇となる理由を就業規則に書いておく必要があります。しかし、解雇となる理由が正当なものでなければ労働者は困ります。だから、会社は不当な理由で労働者を解雇することができません。たとえば、労働者の仕事の態度に問題がある場合、前もって注意したのか、直すように会社ががんばったのかどうかも、法律で確認されます。また、どうしても解雇をしなければならないのか、解雇をする以外に方法がないのか、解雇する前に労働者が会社をやめなくてもよいように、会社はがんばらなければなりません。


また、誰を解雇にするのか、その選び方も正しい理由がなければなりません。もちろん、性別や国籍などを理由に選んではいけません。


正しい理由がなくて、間違った方法で会社が解雇した場合、法律では、その解雇はないことになる、つまり解雇は無効(むこう)となります。


解雇する場合、会社は労働者に対して少なくとも30日前までに言わなくてはいけません。もしもすぐに解雇したい場合、少なくとも30日分のお給料を払わなくてはいけません。ただし、労働者の仕事の態度がとても悪く、それが理由で解雇となる場合、会社はすぐにやめさせることができますし、30日分のお給料を払う必要もありません(地震や津波で会社がつぶれてしまったときなど会社に責任がなく、ビジネスが続けられない場合も同じです)。


解雇されることが「間違っている」と思う場合、労働基準監督署(ろうどうきじゅんかんとくしょ)や社会保険労務士(しゃかいほけんろうむし)、弁護士に相談してください。

 

・労働者にむりやり会社をやめさせるようにしてはダメ

会社が労働者に「やめてほしい」と伝えることはできます。しかし、労働者が嫌なのに何度も何度もしつこくやめるように伝えたり、いじめをしたりすれば、会社が法律違反(ほうりついはん)となることがあります。

 

・解雇と在留資格

仕事のための在留資格を持っている方は、会社を解雇された場合、その在留資格を持っている理由がなくなります。退職しても在留資格はなくならず、持っている在留資格の在留期限まで日本にいることができます。しかし、法律では仕事のための在留資格を持っている人が、その在留資格で働くことができる仕事を3カ月やっていない場合、入管はその在留資格をとり消すことができます。なお、入管は在留資格を本人に教えないで、とり消すことはできません。入管は必ずインタビューをしてから、とり消すかどうか決めます。

在留資格を持っている理由がなくなりますから、持っている在留資格で働くことができる新しい会社に就職(しゅうしょく)するか、別の在留資格にはやく変更するようにしましょう。

会社を自分でやめたのではなく、会社から解雇された場合、新しい会社をすぐにみつけられなくても、就職活動をするための在留資格「特定活動」に変更することができます。6カ月は「特定活動」の在留資格で就職活動をすることができます。この「特定活動」は「資格外活動許可」をもらうことで1週間に28時間のアルバイトをすることができます。

なお、「特定技能」や「高度専門職」、「特定活動46号」の在留資格を持つ人は、新しい会社で行う仕事の内容が、やめた会社の仕事の内容と同じでも、必ず在留資格を変更する手続きが必要になりますので注意してください。

 

このことは、会社をやめたときに必要な届出と一緒に(忘れないように!日本にいる間に必要な届出を覚えよう② 「悩み別編」)でも説明しています。

 

・退職証明書(たいしょくしょうめいしょ)について

労働者から退職証明書がほしいといわれたら、会社は退職証明書を出してあげなければいけません。外国人の方の場合、必ず求められるわけではありませんが、在留資格の手続きの中で退職証明書が重要であることがあります。 

会社に怒られる。懲戒(ちょうかい)について


会社は社長1人のためにあるのではありません。同じように、労働者1人のためにあるのでも、ありません。会社は働く人みんなのためにあります。もしも、みんなに迷惑になる人がいると会社は困ります。会社の言うことをまったく聞かないのも困ります。また、どろぼうをしたり、人を傷つけたりする人がいるのも困ります。


困る労働者がいる場合、会社は怒ったり、給料を下げたり、やめさせるなど罰(ばつ)を与えることができます。しかし、会社がその場の気分だけで罰をした場合、労働者は怖いですし、人と罰の内容が違うのは、不公平です。そのため、困る労働者に会社が罰を与える場合、会社は就業規則に書いておかなければなりません。また、会社は就業規則の内容を労働者のために、わかりやすく説明しなければなりません。外国人の方のために国の言葉や、やさしい日本語で書くことも大切です。労働者が就業規則を見たいときは、すぐに見せてあげなければいけません。

もちろん就業規則に書いてあれば、会社は労働者のどんなことに対しても罰することができるわけではありません。また、どのような罰を与えてもよいわけではありません。懲戒するための理由や内容は正しいものでなければなりません。


懲戒処分に「おかしいな」と思う場合、労働基準監督署や社会保険労務士、弁護士に相談してください。

 

◆全国の労働基準監督署はこちら

 

特定技能と解雇(特定技能労働者を雇用または雇用を検討する会社の方・登録支援機関の方向け)


(Text/行政書士明るい総合法務事務所 代表 特定行政書士 長岡由剛)


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