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タカシの外資系物語

タカシの “ビジネス英語力測定” ( その 1 )2009.11.24

君、英語はどうなんだっけ ?

「あ ! 奈良くんって、英語はどうなんだっけ ? 」
3 ヶ月ほど前のこと、HR 部門(Human Resources = 人事部門のこと)ヘッドの M 氏が、廊下ですれ違った際に、このようなことを聞いてきました。
私 「ま、ボチボチですけど・・・」
HR ヘッド M 氏 「あ、そう。じゃ ! 」


・・・だから、なんやねん ! って感じ(私の返答「ボチボチ・・・」というのも、わけわかりませんが・・・) ですが、実は上記の会話においては、いくつかの可能性(展開)が考えられます。


【可能性 (1) 】 昇進( Promotion )の可能性
わが社では、マネージャーへ昇進する条件として、TOEIC の点数基準が設けられています。実際に、その基準のみが満たせないために、マネージャーへの昇進が見送られるケースが多発しているのも事実。このルールは、極めて厳格に運用されており、日本企業に見られるような「温情査定」(多少、点数が足りなくても、昇進させてやろう等)は、一切ありません。


私の周りを見ていても、40 歳間近の社員が、マネージャーに昇進する段階になって、いざ TOEIC を受験しても、なかなか高得点を取るのは難しいようです。勉強を始めるのに年齢は関係ないといいますが、現実はそうではないでしょう。大学受験から 20 年以上経過した“おっちゃん”が、参考書片手に英語の勉強をするのは、やはり大変なのです。ですから、読者のみなさんには、是非若いうちに、多くの企業で TOEIC の基準点とされている 730 点ぐらいはクリアしておくことをお勧めします。


【可能性 (2) 】 海外赴任 または 海外出張(長期)の可能性
M 氏は、日系企業でいえば、人事部長にあたります。人事部長が一般の社員に声をかけている以上、やはり、人事的な手続きが必要な “何か” が動き始めていると考えるのは、自然な流れでしょう。


実は私、これまでの社会人経験において、長期の海外滞在を、2 回経験しています。1 回目は、日系の銀行にいたときの、アジア(香港・シンガポール・ジャカルタ)長期出張で、計 1 ヶ月。2 回目は、前職のコンサル会社にいたときの、ロンドン出張 6 ヶ月とニューヨーク出張 2 ヶ月でした。もちろん、これら以外にも、1 週間程度の海外出張や研修は、かれこれ 10 回以上経験させてもらっています。が、長期と短期のときの最大の違いは、長期出張の際には、必ずと言っていいほど、「君、英語はどうなんだっけ ? 」と、それなりのランクの方に、事前に確認をされてきたのです。

タカシ、妄想する ハァハァハァ (危ない・・・)

今回の M 氏の質問は、どれに当たるのか ? 実は、(1) の可能性はほとんどありません。なぜなら、私はすでに TOEIC の点数が条件となる昇進については、達成しているからです。「役員になるためには、さらに TOEIC 900 点が必要・・・」なんていう新ルールができたなんていう噂もないし・・・(かつ、悲しいかな、役員になんて当面なれそうにないし・・・(T-T))。


となると、(2) か・・・? ただ、私は現在、複数の国内プロジェクトを管理する立場にいますので、それらを、そう簡単にだれかに引継ぐわけにもいかない。以前はスタッフの立場でしたから、かなり融通が利いたんですけど。とすると、海外プロジェクトへのアサインでもないか・・・ ん ? もしかすると、海外赴任 ! 所属そのものを変更するなら、引継ぎ云々なんて言ってられませんから。赴任するとしたら、どこだろう ? 躍進を遂げている中国とか・・・ もしかして、US 本社とか ! US 本社勤務なんて、エリートやないですかーーーーーーーーーーっ ! ハァハァハァ・・・


・・・てな感じで、それから数日間は個人的にかなり盛り上がっていたのですが、その後一切音沙汰なし(T-T)。もしかしたら M 氏が単なる世間話として、「奈良くんって、英語はどうなんだっけ ? 」と言っただけ、という 【可能性 (3) 】 もありえるわけで・・・ 「ま、どーせ、そんなもんでしょうよ・・・」 などとぶーたれていました。


さて、上記の出来事もすっかり忘れかけていた、つい先日のこと。HR より、以下のようなメールが届きました。

Title : Business English Capability Check
This is an invitation letter for you to participate "Business English Capability Check"・・・
・・・ we encourage you to take advantage from this opportunity to assess your current English Capability for your further language improvement to be a leader ・・・


mmm・・・ 要は、"Business English Capability Check" = ビジネス英語力測定テスト なるものを受けなさい。なぜなら、リーダーたるもの、英語ぐらいできんと困るだろうから・・・ と言っています。ここでいう、“to be a leader” が具体的に何を示しているのか、私にもよくわかりません。


外資系企業に勤めていると、具体的な目的はわからないのだけれど、とにかく “to be a leader” ということで経験しなさい、受講しなさい、といった感じの要請が頻繁に来ます。ま、“to be a leader” の可能性を少しでも認めてくれているのでしょうから、悪い気はしないのですが、一方で、こんな抽象的な理由で時間を取らせないでくれよ ! という感情も抱いてしまうわけで・・・。現実には、こういうことの積み重ねで、海外赴任の道が拓けてくるという噂もあるので、ここは四の五の言わず、そのテストとやらを受けてみましょうかね・・・ と、納得することにしました。

タカシ、事前準備に余念なし

"Business English Capability Check" は、わが社の人事部が実施するのではなく、外部の専門業者にお願いしているとのこと。上記のメールが来て 2 週間後に、外国人の方の面談を受けることになりました。面談時間は 25 分でして、会話を通じて、私のビジネス英語力を判断するようです。


一見して、「これはなかなか面白いかも ? 」と思いました。これまでいくつかの英会話学校で、「英語力診断テスト」というのを受けたことがあるのですが、そもそも相手は私を何とかして英会話学校に通わせたいわけですから、本当の実力とは程遠い評価になるケースが多かったのです。「いやぁー、タカシさんの英語力はすばらしいですね ! その能力を、よりネイティブに近づけるために、是非、このクラスでの受講をお勧めしますっ ! 」 こんな感じです。この部分は優れているが、この部分は弱い・・・ といった、客観的な評価ではなかったわけです。


今回の場合は、会社が私にお世辞を言っても仕方ないわけで、かつ、外部業者に委託しているということは、それなりのコストもかけている。つまり、フェアな評価が期待できるわけです。
一応メールには、You need no preparation (事前準備は必要なし) とか書かれていたのですが、やはり気合入るじゃないですか、ねぇ ?  私は、自己紹介・仕事内容・今後のビジネス見通しなどを、的確な英語で、かつ、多少おしゃれな感じ(って、どんな感じやねん ! )も醸し出しつつ、説明できるように準備をして、面談に臨んだわけです。


で、結果は ? 実は、私の「事前準備」はほとんど無駄に終わり、結果も悲惨なものだったのですが・・・(T-T)・・・、詳細な内容については、次回お話しすることにいたしましょう。

(次回続く)

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

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